大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和32(オ)287 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人Aの上告理由第一点について。

しかし、原判決は本件選挙は所論選挙の規定に違反するものとは認められないと

の趣旨を判示しているのであるから、原判決は所論の点についても自ら判断してい

るものと解すべきである。従つて原判決には所論の違法ありというを得ず所論は採

用できない。

同第二点について。

しかし、原判決が所論当選の効力の点に言及したのはいわばいわずもがなの蛇足

を付したに過ぎないものと認めるを相当とするから、原判決には所論のそごありと

いうを得ない。所論も採用できない。

同第三点について。

しかし、所論事実について所論の擬制自白を肯定すべき事跡は記録を精査するも

見え出し得ないから、右自白のあつたことを前提として原判決に理由不備の違法あ

りとする所論は採用できない。

同第四点について。

しかし、原審が所論の書面を審理の参考にするといつたからといつて、書証とし

て提出されない以上はこれを事実認定の資料とすることは許されないからそれら書

面に基いて認定しないことを以て原判決に理由不備の違法ありとする所論も採用で

きない。

第五、第七、第八点について。

所論はひつきよう原審がその専権を行使しその挙示の証拠によつて認定した所論

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各事実につきこれと相容れない事実を主張して右認定を非難するか、或は採るべか

らざる証拠を採つたとか、採るべき証拠を採らなかつたとかいつて原審の証拠の採

否を攻撃するだけのものであり、いずれも上告適法の理由とするに足りない。

同第六点について。

しかし、原判決は所論立候補届出書が所論のように要式行為であることは明らか

であるが、所論の事項は投票当日に係官が本人の意思に基き補充記入したものであ

り、このように右届出書の瑕疵が治癒された以上はこれを有効のものと認むべきで

あるといつているのであり、原判決の右判断は当裁判所もこれを正当として支持す

る。所論は右に反する独自の見解に座するものであつて採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

裁判官斎藤悠輔は出張につき署名押印することができない。

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

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